建築の設計とは、要求相矛盾する多数の人間の生活を合理的に支援する環境をいかに構築するかという作業といえる。
その設計の基礎となる考え方を導くために、すでにある環境を人間がどのように使いこなしているかを解明することを目指している。

また、従来の建築学は主として「新しく環境を構築する」ことに主眼が置かれていたが、環境問題・高齢少子化・経済低成長を背景とした現在、「すでにある環境をいかにつくり変えていくか」ということも重要となっており、こうした「空間のストック」をいかに次世代に継承していくかということにも取り組んでいる。

具体的には、以下のような研究に取り組んでいる。
・長期経過集合住宅(同潤会アパート、公団住宅、古い分譲マンションなど)における住みこなし、環境形成、建替えに関する研究
・戸建団地における住環境運営(住宅地マネジメント)に関する研究
・高齢化しない地域づくりのための、居住環境再編に関する地域計画的研究
・居住地間の連携によるまちづくりに関する研究
・世界のインフォーマル居住地の住環境改善に関する研究

人間がより豊かで多様な関わりを持てる環境を作ることを目的とし、人間が環境をどのように知覚・認知しているか、あるいは環境における人間行動、生態など、人間が本来的に持つ性質を実証的な観察・実験により明らかにし、それを基礎とした建築・室内・環境デザインの理論を構築するための研究を行っている。具体的には、人間個体まわりの空間、住宅内、病室、オフィス、公共的空間などを対象としている。